優しかった幽霊教師が「これで心置きなく成仏できます」といって不穏な笑みを浮かべたのは、私という身代わりが見つかったから?【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
勉強が苦手で「私だって消えたい」と追い詰められていた女子生徒・ユリが、校庭で出会ったのは自称「幽霊」の教師だった。鳩ヶ森(@hatogamori)さんが描くショートホラー漫画『take over』は、その衝撃的なビジュアルと予想外の結末で、SNSを中心に大きな話題を呼んでいる。
強烈なビジュアルと「時短」が生んだ奇跡
第1話の配信直後、読者を最も驚かせたのは幽霊教師のインパクトある顔面だった。鳩ヶ森さんは、生きている人間とは明らかに違う存在に見せるためにこの造形を採用したという。しかし、驚きは次第に親しみへと変わり、「だんだん優しく見えてきた」「くせになる」と評価が急上昇した。
このビジュアルには、無表情なキャラでどこまで喜怒哀楽を表現できるかという作者の挑戦も込められている。一方で「手間をかけずに描けるようにしたかったのが一番の理由。かなりの時短になりました(笑)」と、鳩ヶ森さんはニヤリと笑う。意図的な「楽さ」から生まれた造形が、結果として読者の心を掴む豊かな表情を生み出したのだ。
読者の熱意がバッドエンドを書き換えた
物語は最終話で怒濤の展開を迎える。不穏な空気のなか、幽霊が放った「やっと呪いを引き継いでくれる身代わりができた」という言葉。実は当初、本作は後味の悪いバッドエンドになる予定だったという。しかし、pixivのコメント欄などで先生への好感度があまりに高まったため、鳩ヶ森さんは急遽ハッピーエンドへと舵を切った。
読者のリアルタイムな反応が物語の結末を動かし、結果として学生たちへの力強いエールが織り込まれることとなった。「いろいろと厳しい時代ですが、自分らしく楽しく生きのびてほしい」という鳩ヶ森さんの願いは、ホラーという形を借りて多くの人への「金言」として届いている。不穏な呪いの言葉が、最後には温かい感動へと昇華されるカタルシスをぜひ体感してほしい。
取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)
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