「完全養殖」ウナギがついに一般販売!でもなにがすごいの?なぜ画期的なの?養殖部門の担当者に聞いてみた!
東京ウォーカー(全国版)
「完全養殖のウナギが、ついに一般向けに発売されるらしい」
そんなニュースを見て、「あれ? ウナギの養殖って、大昔から普通にやってなかったっけ?」と思った人もいるかもしれない。なぜ今さら「完全養殖ウナギの一般販売」がこんなに騒がれているのか。そもそも、自分たちの食卓に何か関係あるのだろうか。
気になったので、現場をよく知る山田水産の養殖部門責任者に直接、わかりやすく教えてもらうことにした。
そもそも「完全養殖」ってどういうこと?
実は、これまで私たちが食べてきた「養殖ウナギ」は、100%人間が育てたものではない。海で捕まえてきたウナギの赤ちゃん(シラスウナギ)を、大きくなるまで生け簀で育てたものだ。つまり、スタートダッシュは大自然の恵みに完全に頼っていた。
しかし今、その赤ちゃんウナギが環境の変化や獲りすぎで、ものすごく減っている。このままだと「絶滅しちゃうかも…」というレベルで大ピンチなのだ。
そこで登場したのが「完全養殖」。卵を産ませて、それを育て、そこから生まれた次の世代にまた卵を産ませる…という、人間の管理下だけで命のサイクルをぐるぐる回す技術だ。
それにより、海の赤ちゃんウナギを捕まえなくてよくなるので、ウナギの絶滅リスクも減り、 「今年は不漁だから大値上げ!」みたいな波も減る。これは朗報!
養殖部門責任者の加藤さんにインタビューしてみた!
今回、国の研究機関(水産研究・教育機構)が作った技術をもとに、実際の現場でウナギを育てている「山田水産」の加藤さんに、話を聞いてきた。
──ウナギの完全養殖において難しいポイントを教えてください。
ふ化してから赤ちゃん状態(シラスウナギ)になるまでに250日ほどかかり、1日5回の餌を2時間おきにあげて、清掃をしっかり行うことが必要になります。ここがとても難しい部分になりますし、実際30万個の受精卵ができても1000匹(約0.3%)しか生き残りません(それでも、もしかしたら自然界より率は高いかもしれませんが)。
山田水産としては、2022年に水産庁の委託事業に参画しましたが、研究所と同じレベルで完全養殖を再現するのは、とてもハードルが高いことでうまくいくかは未知数でした。しかし長く養鰻業(ウナギの養殖)を続けていたからこそ実現できたと思います。長年の生き物に対する向き合い方や作業効率化の試行錯誤が奏功しました。
──現場での苦労話やエピソードを教えてください!
レプトセファルス(卵から孵化した直後の「初期形態」の赤ちゃん)がウナギの形(シラスウナギ)に変態を始めると、泳ぎが活発になり、レプトセファルスの食事を邪魔してしまいます。そのため、成長段階に合わせて水槽を分ける管理が必要なのですが、なかなか大変です。
──世界的に見て、何がそんなに「画期的」なのでしょうか?
完全養殖ウナギ自体は既に実現されていましたが、より安定させられるようになりました。完全養殖により生産されたウナギの数が10匹、20匹とかの単位ではなく、試験販売できるくらいの数に増えたというのは、本当に大きな一歩だと言えます。
──やっぱり気になるのは「味」。完全養殖ウナギっておいしいのでしょうか?
味は普通のウナギ同様おいしいです。脂も皮もおいしいです!自信をもっておすすめできる味です。
未来への第一歩、ついに一般向けに販売、即日完売!
この歴史的な完全養殖うなぎ、「山田のうなぎ」(築地の専門店)や山田水産公式オンラインショップ、イオングループのEC販売チャネルにて試験販売がスタート、即日完売した。
「うなぎの完全養殖が食卓を変えるのは遠い未来の話ではない。日本の技術が世界を変えるんだなぁ」
そう思うと今日も頑張れそうな気がする。
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